2021年7月24日土曜日

書籍「Oracle Cloud Infrastructure徹底入門」のご紹介

~オンプレミスのミッションクリティカルシステムに携わるエンジニア必読の一冊~

Oracle ACEの大塚です。著者のひとりである日本オラクルの丸川さんから書籍を献本いただいたので、紹介記事を書かせていただきます。日本オラクル様で実際にサービスやコンサルタントを担当する技術者の現場のノウハウが満載の本書は、オンプレミスの基幹システムに携わるエンジニアの皆様にぜひ読んでいただきたい一冊です。

- 出版社: 翔泳社、発売日 : 2021/7/21、ページ数 : 455ページ
- ISBN-10 : 479816903X、ISBN-13 : 978-4798169033

Oracle Cloud Infrastructure(以降OCI)は、Oracle Databaseを中心とするミッションクリティカルシステムを高いパフォーマンスで安定的に稼働するように設計されたクラウドサービスです。そのOCIの概要や特徴および代表的なサービスについてその仕組みと仕様の紹介のあと、システム設計する際のポイントについて丁寧に解説されています。

■本書の目次

◇第一部: Oracle Cloudの概要と主要サービスの理解
- Chapter1. Oracle Cloudの基本知識
- Chapter2. まずは触ってみよう
- Chapter3. 認証・認可(IAM/IDCS)
- Chapter4. 仮想クラウド・ネットワーク(VCN)
- Chapter5. コンピュート・サービス
- Chapter6. ストレージ・サービス
- Chapter7. データベース・サービス
- Chapter8. ロード・バランサ
- Chapter9. その他のサービス

◇第2部: OCIを利用したシステム設計
- Chapter10. クラウドでのシステム設計のポイント
- Chapter11. ネットワーク設計
- Chapter12. 可用性設計
- Chapter13. セキュリティ
- Chapter14. 運用設計
- Chapter15. 移行設計

「第1部: Oracle Cloudの概要と主要サービスの理解」について

OCIのコアとなる認証認可、仮想クラウド・ネットワーク、コンピュート・サービス、ストレージ・サービス、データベース・サービス、ロード・バランサに関して2021年3月時点の情報断面において包括的に、かつ分かりやすく整理されています。

中でもOCIのロードバランサ・サービスは2021年3月にNLB(ネットワーク・ロード・バランサ)が2021年3月にリリースされたこともあり大きく拡張されました。

本書においてはその情報がしっかりと取り込まれており、FLB(フレキシブル・ロード・バランサ)とNLBそれぞれの詳細な仕様の紹介や、活用シーンに合わせて、どのようにFLBとNLBを使い分けていくかなど、図表やチャートを用いて分かりやすく解説されています。

OCIの新機能や改善に関するサービス・リリースは年間当たり300に及びます。その進化の早い最新のパブリック・クラウドの重要サービスをきちんと断面で包括的に抑えることができる本書の価値は非常に高いと考えます。

「第2部: OCIを利用したシステム設計」について

特にお勧めしたいのが「Chapter10. クラウドでのシステム設計のポイント」です。現在、クラウド基盤はシステムのアーキテクチャを検討する上で重要なポジションを築いており、日々その存在感を増している状況です。そのような状況を鑑みてシステムの更改に際して、真に意味のあるクラウド活用になるようにクラウドのメリット、提供形態や共有責任モデルを解説の上、案件に応じたクラウド活用指針(SaaS/PaaS/IaaSの使い分け等)に関する考え方が述べられています。これに関してはクラウドの導入効果の算出にまで言及されており、これからクラウド活用に取り組んで行く!という決意をあらたにすることができます。OCIを活用したシステム設計を担う第2部の幕開けとして、とても素晴らしいと思いました。

そしてOracle Databaseを中心とするミッションクリティカルシステムをOCI上に再構築していくにあたり必ず必要になる「ネットワーク設計」、「可用性設計」、「セキュリティ」、「運用設計」、「移行設計」が語られていきます。

「ネットワーク設計」においては、オンプレミス環境との接続方法に関して詳細に語られます。例えばオンプレミス側で利用されているIPアドレス帯域とOCIの環境をどのように整合させていくか等、多くの考え方が掲載されており、それらの考え方は必ず読者の役に立つと思いました。

「可用性設計」においてはミッションクリティカルシステムに必ず要求される広域災害対策設計に踏み込んで解説されており、スタンバイ構成やシステムの稼働切り替えを具体的な図表を用いてイメージアップできるようになっています。

「セキュリティ」、「運用設計」、「移行設計」に関しても実際のシステム構築を行うにはどのようにすれば良いかという統一された視点のもと、同様の深みを持って監修されています。詳細はぜひお手に取って見てください。これらを読解したのち、
・Appendix A.本書サンプル要件にもとづく方式設計例
・Appendix B.非機能要件に応じた設計要素確認表
を噛みしめることで、本書籍はOracle Databaseを中心とするミッションクリティカルシステムのOCIでの稼働をより具体的にイメージアップしてくれます。

日本オラクル様で実際にサービスやコンサルタントを担当する技術者が現場の案件を通じて紡いだ言葉をぜひ全身で感じてください!渾身の書籍だと思います!

書籍「Oracle Cloud Infrastructure徹底入門」のご紹介

~オンプレミスのミッションクリティカルシステムに携わるエンジニア必読の一冊~ Oracle ACEの大塚です。著者のひとりである日本オラクルの丸川さんから書籍を献本いただいたので、紹介記事を書かせていただきます。日本オラクル様で実際にサービスやコンサルタントを担当する技術者の現場...